耐震診断の方法


耐震診断の方法は下の3つに分けられます。

@ 誰でもできる我が家の耐震診断一般ユーザー向け

A 一般診断法建築士、建築関係者向き

B 精密診断法建築士向け


@は日本建築防災協会が編集し、国交省が監修したもので
『誰でもできるわが家の耐震診断』からダウンロードできます。

以下の簡単な10の質問で診断結果を表示します。

建設時期、災害履歴、増築について、劣化・補修・改修、
平面形状、吹き抜けの有無、1・2階の壁面線、壁の配置、
屋根葺き材と壁量、基礎形状の10項目です。

実際に専門家に依頼する耐震診断は、一般診断法精密診断法
2種類あります。

以下、少し専門的になりますが簡単に概略を説明します。




一般診断法

建物が所定の耐震性能を満たす為に必要な地震に耐える力を
必要耐力』と言い、実際にその建物が持っている地震に耐える
力を『保有耐力』と言います。

必要耐力は想定する地震動と建物面積を基に建物の重量や
建設地の地域特性(積雪や地震発生頻度による係数)、平面形状などを
考慮して計算し、実際に診断建物が持っている構造的要素は加味しません。

保有耐力は診断建物が実際に持っている構造的な要素を全て
数値に換算して計算した値で、劣化状況・壁の位置や量及び材質、
筋カイの有無などの構造条件が変われば、その数値は変化します。

なじみの無い言葉なので難しく感じるかも知れませんが、
判定方法はいたって簡単です。

保有耐力・必要耐力の各々を計算し、保有耐力と必要耐力が
同じであれば評点は1.0、保有耐力が必要耐力の半分しか無ければ
評点は0.5と表示されます。

下のイラストは保有耐力と必要耐力の関係を表したものです。








保有耐力は、建物が持っている壁の強さ・劣化度で決まります。

壁の強さは壁の量・材質・配置・筋カイの有無、補強金物の
種別などで決まります。


建物の劣化度に影響する項目として一般診断法では
屋根葺材(天井裏)、樋(軒樋・竪樋)、外壁仕上げ(水しみ・割れ・コケなど)、
バルコニー(建物一体型のもの)、内壁(一般室・浴室)、床(床面・床下)と
決められています。

全ての項目に劣化が無ければ劣化度は1.0ですが、各項目に著しい
劣化が見られ、実際の計算値は非常に低く0.3になっても診断で
採用する数値は0.7が下限とするように決められています。


精密診断法』の基本的な考え方は『一般診断法』と同じですが、
より正確で詳細な検証が求められます。

例えば保有耐力の算定で、一般診断では不明個所の床・壁・天井を
剥がしての調査は求められませんが、精密診断では状況に応じて、
不確定個所を確認する為に剥がして調査します。

計算方法も複雑になり、診断結果の信頼度は高くなりますが、
費用や時間は一般診断に比べてかかります。

通常、補強工事を前提とする場合は、精密診断を採用する
例が多いようです。(多くの自治体は補強工事で助成金を
交付する場合、精密診断を義務付けています。)

診断方法で迷う場合は、依頼する建築士に耐震診断の目的を
充分説明し、調査方法や費用を確認したうえで、どちらの方法が
適切か相談して下さい。